わたしが観てきたメグロ 

(第六十一回) 「(第21回)古き二輪を愛でる會」・参加メグロ車より、 


ようこそ!「わたしが観てきたメグロ」では、S−8レストア用に各地で資料用に撮影した写真、
参加イベントで巡り会ったメグロの写真を紹介します。


◎ 今回は、2016年10月16日に行われた「(第21回)古き二輪を愛でる會」
  より紹介します。

◎ 毎年恒例の「京都・古き二輪を愛でる會」ですが、今回も会場はこちら、
   スチールの森 京都(府民の森ひよし)にて開催がされました。

◎ 絶好のロケーションに好天気にも恵まれ、名車・珍車が多数参加
  (600台以上!?〜主催発表)される中、盛況の内に行われました。

◎ その中からピックアップは、初見参の「ダブルで"レックス"」と、
  SGx3でどうぞ!


 (第六十一回)
  「(第21回)古き二輪を愛でる會」・参加メグロ車より、


 メグロ350・メグロY2レックス
  (1958年)

今年もやって来ました恒例イベント「古き二輪を愛でる會」♪
天気も上々な中、過去最多に匹敵する参加台数600越え〜〜〜との由!?
途轍も無く広ぉ〜〜〜い芝の広場が参加オートバイで埋まる様子が壮観!!
で、期待の参加メグロ車は・・・と云えば〜
この台数ですから探すのも大変でした〜汗!!
ではでは、漸く発見(笑)しましたメグロ車をご紹介。

先ずはこちら♪
メグロ車に在っては本来珍しい部類に在る(筈!?)の350cc・Y2レックス!
何故か拙サイトでは遭遇確率が高く、此の個体で5台目のご紹介〜笑
殆どがごく最近に拝見した個体ばかりなので、もう珍しくもないか!?〜爆
但し、登録実働車と視れば稀少なモデルなのは明白。
既に拙サイト内にて詳細は紹介致して居りますが、
メグロ初にして唯一とも云える合成フレームが採用されて在るのが特徴。


 L2型:単気筒OHV・4サイクルエンジン

基本は元のY"レックス"用・L型エンジンに同じ。
特筆は、シリンダーブロックの鋳造工程にて特殊鋳造プロセス鋳物鋼" センダイトメタル"を、
650cc・ T2 と共に初採用したこと。
此れに拠って、最大出力は3HPの増強で16.0HP/5200rpmに。
最高速度は10km/hの増強で110km/hに達する由。

ボアxストロークは、74x81 の348cc
最大出力、16.0HP/5200rpm
最大トルク、2.56kgf-m/3000rpm
最高速度、110km/h

外観的な特徴としては、上級モデルの500cc・ Z5 のエンジンを意識した形態。
プライマリーケースカバーはアルミ鋳造に拠るが、内部はオイルバスではなくクラッチは乾式。
別体の変速機は同時期モデルに同じメグロ特許の前進4段ロータリー。

キャブレターも当時のメグロ車では標準採用されたミクニアマルの横フロート式モノブロックタイプ。
警報器も同じく、当時のメグロ車標準採用で在ったニッコーホーンの大型渦巻タイプが残る。

フェルタンクは同時期の250cc・ S3 と同様な仕様。
意匠も250ccモデルに同じ、メッキ地に雲形の塗り模様なので、遠目には判別が難い。
フェルコックは流石に原型品が難で在ったか、汎用の良く視掛ける耕運機用をチョイス様子。


 フロント廻り&ライトケース

同時期のジュニアS3に準じたフロント廻り。
深いフェンダーは二段絞りで重厚。
フェンダー上の風切り板も基からのモノ。
タイヤサイズは3.00x19in 
ブレーキドラムは全幅ハブ。
緩衝装置は油圧テレスコピック式。

ライトケースはどうやら他種流用交換の様子。
形態から白バイ仕様の Z7P用か!?
大径の速度計にアンメータとメインキースイッチ、
ニュートラルポジションランプが並ぶ上面。

後付けのウインカーは好ましい砲弾型。
もしかするとZ7最末期に装備の仕様品か〜




 オイルタンクサイド

Y2最大の特徴と為る、合成フレームに拠るエンジンマウントからリアにかけての造形。
プレス成形鋼板を溶接組立した外殻構成(モノコック)と従来のパイプフレームを組合せが解る。
フロント側のパイプフレームに、リア側のプレス成形鋼板に拠るモノコックフレーム。
其の間をプレス成形鋼板のカバーが覆う。
オイルタンクは造形の一部を為すように意匠された形態。


 ケーシングカバーサイド

反対側には電装や工具が収まるケーシング。
カバーはオイルタンク意匠に応じた同形態でシンメトリーに。
エンジンマウント部を覆うカバー内にはエアクリーナーとバッテリーが入る。

これ等のカバーは劣化損傷し易い様子で、欠損紛失して在る残存個体が目立ち、
レストア際の支障と為るケースが間々在る。
中古部品も殆ど無く複製品製作も高コストに為り、希少モデル共通の悩みか〜
此の個体では幸いに欠損が無い様子で、原形残存するのは稀有!


 リア廻り

外殻構成(モノコック)で為るリア廻り。
フェンダーはまんまリア懸架を受けるフレームを為す。
懸架方式はスイングアーム式を採り、メグロ車では650cc"セニア"、
500cc"スタミナ"に続く三番目の適用。
タイヤサイズは3.25x19in、ブレーキドラムは全幅ハブでフロントに同じ。

フェンダー上に付く荷台はお約束のアイテム。
シートは鞍型でモノリンクに拠るサスペンション機構。
其の仕掛けは同時期のジュニアS3に同じ、ゴムブロック圧縮に拠る緩衝作用から為る。
筒型マフラーも、テールライセンスベースもS3同様。



 カワサキ250・メグロSG

とっても綺麗に乗ってられるSG♪
リアの荷台に載せられた編み籠も様に成ってますが〜
オーナー方曰く、「此れ実用で使ってます〜」との由!
野菜の買い出しに、籠に積んで活躍なのだそうで。
当日も帰りに会場周辺の名産でも在る黒豆を買って戻るのだとか。

フロントフェンダー上に在る可愛らしいマスコットにSGへの愛着を感じます!



 カワサキ250・メグロSG

此方のSGもなかなかの美車♪
フェルタンクの輝きが半端無く眩しいほど!
オーナー方は以前に本イベントにて紹介の メグロ500・K "スタミナ" の御仁でした〜
今回も其れで・・・としたら、ダイナモの不調にて今回は代車のSGでお越しでした!
それにしても代車がベストコンディションなSGとは、羨ましい〜笑



 カワサキ250・メグロSG

此方もピッカピカに仕上げられたSG美車♪
荷台に付けられたタンデム用の背当てが実用的で良さげ〜



 メグロ350・レックス

イベントも後半に入ってお越しの"レックス"♪
先のY2に続き、期せずして二代に亘ってのご紹介〜

本イベントでは以前にも こちら で紹介した個体がございましたが、今回はお初参加の個体です。
オーナー方は、此方も以前に こちらのS2 で本イベントに登場いただいたKさん。
当方とは拙S−8を乗り始めた頃よりメグロ愛乗家のお付き合いをいただき、
S2以外にもS3からS7まで歴代ジュニアモデルに乗ってこられた由。
自転車屋を営まれてられただけに、何れの所有モデルも整備されてピッカピカ〜
このY"レックス"もレストアが為されてピッカピカ〜♪


先のY2と見比べると違いは歴然!
シンプルスマートなY2に対し、Y型は同期モデルの S2Z5 に準じた豪華且つクラシカルな外観。
観れば500cc モデルと250cc モデルの折衷的意匠なのが良く判ります。
車台番号から'54年のモデル様子。

 L型:単気筒OHV・4サイクルエンジン

先のY2用:L2型のベースたるエンジン。
外観的相違は無く同じに見えるが先述のとおりL2型は性能進化が為された。
また、このL型エンジンでさえ既にレーサーマシンのベースモデル用として、
日本勢では初の国際モトレース参戦ためブラジルへ海外遠征した由緒在るもの。
上位モデルのZ5で確立されたメグロ車の特徴を継承する、
Y(V)字形タイミングカバーに二本のプッシュロッドケース。
放熱性を考慮し大型でシンプルな形態と為ったアルミ合金のヘッドカバー。
手動に拠るデコンプ機構が付く。

ボアxストローク、74x81mm の348cc
最大出力、13.0HP/4000rpm ('54)
最大トルク、2.56kgf-m/3100rpm ('54)
圧縮比、6.2
最高速度、100km/h

トランスミッションはメグロ特許の前進4段ロータリー式PM型。


プライマリサイドに付くエアクリーナーボックスが欠品な様子。
代わり、奥付けのバッテリーが覗き視えます。
6vのバッテリーは本来のサイズ品種が希少なゆえか代用にやや小さ目品種をチョイス。
隙間はスポンジブロックで埋めて調節でしょうか〜


プライマリチェーンケースは250cc・S3と同様に鋼板プレスの合わせに拠る仕様。
クラッチも当然ながら乾式に拠る。

ステップアームは左右独立で付き、ステップラバーは旧仕様のモノ。
リアブレーキのペダルが四輪自動車でも通用しそうな形態。


キャブレターは本家AMALの別体フロート式が付く。
本来はミクニアマルの同型276
まァ〜当時モノを継続使用する場合は経時劣化のリスクもあり、
同型新品に替えるのは合理的かと。
先述とおりエアクリーナーが欠品ゆえファンネルで対応〜

 フロント廻り

スプリングフォークからホイールにかけては250cc"ジュニア"に近似な仕様形態。
一方ヘッド廻りはナセル仕様の豪華な形態を採用。
500ccモデルは無理と云う購買層に、廉価な350ccの"レックス"ならば、 と思わせるデザイン戦略か!?

ホイール径は19in 、制動は片ハブのドラム式。
フェンダーは鋼板プレスに拠り拡くタイヤを覆う。
上面のネームプレート(風切り板)は標準に装備。


 ハンドル廻り

セミアップのハンドルポジションは所謂"殿様乗り"と称されるライディングを生む。
左クラッチ、右フロントブレーキの各レバーにライト切り替え&ホーンのスイッチ、
他にデコンプレバーと手動進角レバーが付く。
ポストセンターにハンドルダンパーノブ、その手前にはアポロ式方向指示器の操作盤。


 ライトケース

ライトケースは豪華なナセルタイプ。
昨年に此方の Z5Z6 で紹介の仕様に同じ。
左右に付くマーカーランプが豪華さを惹きますね〜
レンズのリムも再メッキが為されて輝いてます♪


同期の500ccモデルとほぼ共通な仕様が奢られた上面のパネル。
センターの速度計は小型ながら高級精密計器を思わせる。
その手前に並ぶのは左にアンメーター、右にメインキースイッチ。
中程のニュートラルポジションランプはメグロが世界初採用のシステム、由。


 リア廻り

後部の形態は当時のメグロ車各モデルとも共通なモノ。
フラッグシップモデル:650cc"セニア"のスイングアーム仕様を除き、
リア懸架は積貨重視のプランジャーサスペンションに拠る。
フェンダーも然り、当時の道路事情から悪路での撥ね石を抑えるよう、
裾拡がりで頑丈な鋼板プレスに拠る。
テールとライセンスベースは、メグロ車では馴染み深いルーカスタイプのレンズ仕様。


フロントに付くアポロ式方向指示器に連動すると思しきリアの後付けウインカーは SG用か!?
荷台は積貨に適した頑丈そうな造り。

駆動系はオープンチェーンで、チェーンカバーも今様の上面を覆うのみ。
お馴染みのフルカバーのチェーンケースは650cc"セニア"とZ7、S3から〜
制動系はフロント同様に片ハブのドラム式、ホイール径は19in


 マフラー

マフラーはキャブトンタイプが付く初期モデル仕様。
後期仕様では此れもお馴染み筒型に。


 右サイド

車体右側にはオイルタンクとツールケースが付く。
ドライサンプのオイルタンク容量は2.2L


 警報器(ホーン)

メグロの警報器と云うと渦巻式のニッコーホーンを思い浮かべますが、
この頃迄は共鳴板開放式が一般的に付けられて在り、
純正にはM・Wマーク付きプレートが付く。


 サドルシート

シートは未だ自転車から派生したようなサドルタイプ。
緩衝は直下に付く2本の樽型コイルばねで。


 フェルタンク

燃料タンクはジュニア系に同じ、メッキ地に黒色と白線模様で雲形意匠の仕様。
但しサイズは異なり互換性はない。
容量は10.5L
ニーパッドラバーはジュニア系と同一品。
七宝焼きに拠る メグロウイング のタンクバッヂ。
ジュニア系よりやや大きいサイズにも視えるが、意匠はジュニア系とほぼ同じ!?
彩色以外の縁取りメッキは遣れてブラスの地色と為ってますが、
本来は金メッキ仕様ではなかったかと思われるが・・・
給油口キャップは捻じ込みキャップタイプ。
ここにもM・Wのトレードマークが!


それでは、次回をお楽しみに!



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 「(第21回)古き二輪を愛でる會」より、」はこちらからお楽しみ下さい!

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