〜メグロの小部屋〜:500cc・Z98〜Z('50年式まで) メグロ初の市販二輪車:Z97の改良車。1938年より製造・販売され、戦前期は'41年まで、戦後は年式併記のZ型として'47年より 生産再開、'48年から'51年まで販売される。 Z97との違いは差程無く、外装面での変更(燃料タンクの意匠・ニーグリップの改良・マフラー改良・ライトの改良)およびキャブレターの 取付見直しによる性能向上であった。ただ、Z98では500ccモデルに加えて600ccモデルを用意していた。戦前期の生産数はZ97 と合せて300台程度であったと云われている。 戦後はメグロが本格的にオートバイメーカーとして再起した'47年以降の生産で、形式名もZ型に改めるが内容はZ98から変更無し。 ただ極度の物資不足の中、戦前期の残存部品流用から再開して不足部品は在り合わせの材料から新たに製作して用意したことで寸法や重量 に差異が生じ結果性能にも若干違いを観る。'51年に改良形式・Z2が登場するまで500ccモデルはZ型(年式)であった。 '49年には販路拡大を考え側車(サイドカー)付きを企画・販売する。当時、側車付きで官公庁など需要を得ていた「陸王号」を参考に設計・ 製作するが、対抗しての側車付きは知名度で劣り、期待される程には伸びなかった。再生産から'50年までの生産数は945台とされるが 残存車は殆ど無い。 ・・・主要諸元・・・ ・全長:戦前:2115mm / 戦後:2120mm ・全幅:戦前:790mm / 戦後:780mm ・全高:1000mm ・軸間距離:戦前:1370mm / 戦後:1400mm ・車輌重量:戦前:170.6kg / 戦後:178kg ・機関型式:ICI型:単気筒OHV4サイクル ・総排気量:(500ccモデル)498cc / (600ccモデル)597cc ・最大出力:(500ccモデル)戦前:11HP/3600rpm             戦後:13HP/3800rpm       (600ccモデル)14HP/3500rpm ・最高速度:戦前:80km/h / 戦後:100km/h ・燃費:戦前:24km/リットル / 戦後:32km/リットル ・変速機:手動3段 ・タイヤ:(前)3.50×19−4 /(後)3.50×19−4 ・始動方式:キック