〜メグロの小部屋〜:650cc・T1 セニア T1セニアはメグロの最大排気量モデルとして1955年に登場。 新たに二気筒OHV651cc機関を開発。外観はメグロらしいY(V)字形カバーに、プッシュロッド内包のシリンダブロック。 英国車風の仕様だが、特定のモデルを参照とはしていない。シリンダブロックは二気筒1ブロックに見えるが、実は各気筒が独立した シングルシリンダブロック×2である。ヘッドブロック及びクランク室ブロックは二気筒連結構造としている。出力は29.5馬力。 フレームも新たに設計されたスポーティーなもの。リアにスイングアームサスペンションを採用、構造もZ97以来の丸鋼管ろう付け 組立から、電気溶接組立を同構成フレームとしては他社に先駆けて取り入れた。 営業面では、一般には殆ど売れていなく(実用車としてはかなり高額であった為)、新聞社などマスコミプレス用として使われた為、 少ない生産台数(397台)に加え使用上耐久年数が短く成りやすかったことから、現車の存在はかなり貴重(私が実車確認できたのは、 岩下コレクションにあるものを含めて3台)。まぼろしの名車と云えよう。 ・・・主要諸元・・・ ・全長:2280mm ・全幅:820mm ・全高:1110mm ・軸間距離:1450mm ・車輌重量:210kg ・機関型式:H型:二気筒OHV4サイクル ・総排気量:651cc ・最大出力:29.5HP/5200rpm ・最高速度:130km/h ・燃費:33km/リットル ・変速機:前進4段ロータリー ・タイヤ:(前)3.50×19−4 /(後)3.50×19−4 ・始動方式:キック