〜メグロの小部屋〜:250cc・S7ジュニア メグロ250cc・S7ジュニアは、シリーズの五番目のモデルで1960年より製造・販売される。 外観は250ccの新シリーズであったFの外装をアレンジ、「鉄かぶと」と称されて不評であった燃料タンクも、メッキ部分を多くして スッキリしたデザインとなっていた。 前モデルのS5が不評なFのつなぎであったのに対し、S7はメグロの稼ぎ頭として、S−8にモデルチェンジする1963年まで販売、 最多登録車S3に次ぐ21020台を誇る。 前期タイプは、電装6v・マグネトー点火、機関はK5型248cc単気筒OHV4サイクル(11.5HP/5000rpm)、2894台が 生産されている。 後期タイプは、電装12v・バッテリー点火、機関は同じK5型248cc単気筒OHV4サイクル(13.5HP/5450rpm)、セル付き である。 緩衝装置もS5まではプランジャー(リア)なのが、スポーティーなスイングアーム式になり、ビジネスユースからの転換がみられる。 ただ実体は、従来からのメグロユーザーによるビジネスユースが多数を占め、残りをメグロ愛好家による使用がほとんどという、 新規性のない市場での販売となり、時代遅れのメグロを印象付ける結果となった。 今でも現存するメグロの内、S7はS3・Z7と共に、よく残っているモデルでもある。ただ、後期タイプには状態の良くないものがある ようで、これは製造された1961年頃のメグロ労働争議による影響があるとも考えられる。部品の仕上げも、アルミキャストのカバー などが磨きではなく鋳肌で使われた車がある。なお、"S6"にならなかった事情は不明であるが、恐らくは"Z7"のようにヒットすることを 願っての事であったのだろうか。 ・・・主要諸元・・・ ・全長:2115mm ・全幅:745mm ・全高:1010mm ・軸間距離:1360mm ・車輌重量:150kg ・機関型式:K5型:単気筒OHV4サイクル ・総排気量:248cc ・最大出力:(前期型)11.5HP/5000rpm       (後期型)13.5HP/5450rpm ・最高速度:(前期型)100km/h /(後期型)105km/h ・燃費:47km/リットル ・変速機:前進4段ロータリー ・タイヤ:(前)3.00×18−4 /(後)3.25×18−4 ・始動方式:(前期型)キック /(後期型)セル・キック ・・・メンテナンスデータ・・・(登場時規定値) ・点火プラグ:NGK・B−4 ・プラグギャップ:0.6mm ・バッテリー:前期型・6V−10AH(松下:ML3−6)/ 後期型・12V−20AH(日本電池:NB4−12) ・キャブレター:前期型・三国アマル・275−012/ 後期型・三国・VM22−14 ・メインジェット:#95 ・エンジンオイル:SAE10W−30(夏期・#40)容量・2.0リットル ・カムプロフィール: 後期型・(吸気)上死点前35°〜下死点後75° /(排気)下死点前65°〜上死点後30°