〜メグロの小部屋〜:250cc・S3ジュニア メグロ250cc・S3ジュニアは、シリーズの三番目のモデルで1956年から'59年まで製造・販売された、記録台数31370台 を数えるメグロ「1」のベストセラー車。 外観はメグロらしいスリムなフレーム構成で、水滴型の燃料タンク、長めのホイルベース・前後19in(後に18in)の大径で細身 (3.00)のタイヤ、実用に適したプランジャー式リア緩衝器などバランスのとれたSシリーズの完成された形であった。 機関はK2型となったが、S2ジュニアのK型(改良型)とほぼ同じ。248cc単気筒OHV4サイクル(10HP/5000rpm) 電装6v・マグネトー点火、乾式クラッチに板金プレスによるプライマリチェーンカバー。 S3は製造期間中、2回マイナーチェンジがあり、前期型('56/3〜)と前期型途中('57型以降〜'58/9)、及び後期型 ('58/9〜'59/7)である。  ・前期型はS2とほぼ同等ながらドライブチェーンがフルカバーに。  ・前期型途中('57型)は機関(特殊鋳造プロセスによる鋳物鋼"センダイトメタル"を採用)及び外装をマイナーチェンジ。  ・後期型はタイヤを18inに改良し、操作性を安定させた(Fシリーズとの共通部品化)。 この時期すでに、他メーカーは2ストをメインに高回転高出力のスポーツタイプ車を発表し始め、S3は見劣りする内容であったが、 メグロに対する信頼と実用に徹した仕様により多くの需要を得た。メグロにとってもこの時期が最も華やかではあったが、このとき次期 主力製品として企画されていた新型車(Fシリーズを主としたOHC4サイクルエンジン車)がメグロの前途を暗転させる事となる。 S3の成功と新型車の失敗は、その後のメグロを翻弄し、旧態依然とした製品に執着した販売路線から抜け出すことができなくなった。 今でも多くのファンを魅了し人気の高いS3は、台数が多かった事もあり、比較的入手しやすいモデルではあったが、既に製造時期から 45年も経ち急速に残存数を減らしている。 ・・・主要諸元・・・ ・全長:2175mm ・全幅:820mm ・全高:1075mm ・軸間距離:1410mm ・車輌重量:181kg(カタログ値:162kg) ・機関型式:K2型:単気筒OHV4サイクル ・総排気量:248cc ・最大出力:10.0HP/5000rpm ・最高速度:95km/h ・燃費:47km/リットル ・変速機:前進4段ロータリー ・タイヤ:(前期型)(前)3.00×19−4 /(後)3.25×19−4      (後期型)(前)3.00×18−4 /(後)3.25×18−4 ・始動方式:キック ・・・メンテナンスデータ・・・(登場時規定値) ・点火プラグ:(NGK・B−4) ・プラグギャップ:0.6mm ・バッテリー:6V−10AH(松下:ML3−6) ・キャブレター:三国アマル・275−012 ・エンジンオイル:SAE30(冬季・#20/夏期・#40)容量・2.0リットル ・カムプロフィール:(吸気)上死点前30°〜下死点後60° /(排気)下死点前65°〜上死点後25°