〜メグロの小部屋〜:250cc・Sジュニア メグロ250cc・Sジュニアは、新ジュニアシリーズとして生まれ出たモデルで旧ジュニアシリーズのJ2がベースとなっている。 1953年、二輪車運転免許制度の改正により250cc未満までの二輪車が軽二輪車区分となり、従来の自動二輪車運転免許より取得容易と なったことから旧ジュニアシリーズJ3を300ccクラスの充実に当て、分離した250ccクラスは新ジュニアシリーズ・S型として新た に企画、再スタートとしたのである。以降、一連の新シリーズS系ジュニアの基礎となった。1953年10月から'54年5月までの半年間 余りに1870台製造とされている。 機関はG型を改良したK型:単気筒OHV4サイクルを開発。ボア×ストローク・65×75の排気量248ccは踏襲し性能的には差ほど変化 は無いが、機構的には排気が2ポートから1ポート化されて軽快な外観になっている。 車体はJ3に同じ。外装の意匠や塗装もそのままであったが、新ジュニア二代目のS2に代わる直前にはお馴染みのタンクデザインに変化し ている。トランスミッションはフット式だが、まだ前進3段である。 なお、メグロ300cc・J3Aは、Sジュニアの登場に合わせてJ3を更新した300ccクラスで、車体・装備はそのままにエンジンが SジュニアのK型機関をボアアップした288ccエンジンに更新して在るのが特徴。そのため観掛けがSジュニアと殆ど同じで細部を観察 しなければ区別が難しい程に似ている兄弟車である(〜メグロの小部屋〜:300cc・J3/J3Aジュニア参照)。 内容的には旧ジュニアシリーズのJ2・J3に変わりなく、S型と型式だけが代わったような車であるが、営業的にはより250ccクラスを 重視した販売が出来るようになり、メグロの業績向上に貢献する。そして早々にS2としてロータリー式トランスミッションの搭載がされて この後S系ジュニアシリーズはメグロの実質的主力車種としてメグロを支えるモデルとなる。 場つなぎ的に登場させた意味合いが強いため台数が少なくJ3やS2と紛らわしいこともあって残存台数は全く掴めないが以前それらしき 一台が雑誌に紹介されて居たり、近頃ではネットオークションに出品例が出るなどして居り、今後も見つかる可能性がある。 ・・・主要諸元・・・ ・全長:2180mm ・全幅:780mm ・全高:1040mm ・軸間距離:1390mm ・車輌重量:157kg ・機関型式:K型:単気筒OHV4サイクル ・総排気量:248cc ・最大出力:7.0HP/4200rpm ・最高速度:70km/h ・燃費:45km/リットル ・変速機:前進3段 ・タイヤ:(前)3.00×19−4 /(後)3.25×19−4 ・始動方式:キック