〜メグロの小部屋〜:ワークスレーサー・メグロRY 1957年に開催された第二回浅間火山レースのジュニア級350ccクラス参戦用に造られたワークスレーサーマシン。新規開発された ライト級250ccクラス、セニア級500ccクラスと異なり、RYと型式は付けられたがベースは'55年に開催された、第一回全日本 オートバイ耐久レース(浅間高原レース)用に開発された500cc・SOHCによるベベルギヤシャフト式のエンジン(RZB)を改造 してボア×ストローク・73×82とした機関が用意された。 推測ではあるが、元々高性能・高馬力なエンジンであるが為に材質面で耐久性に難が在ったとされ恐らくはスペックダウンにより材質耐久 限度で活用させるつもりであったのではないだろうか。フレームは先の事情によりセニア級500ccクラスと同一である。 第二回浅間火山レース・ジュニア級350ccでの参戦は、エントリー"8"杉田清蔵 選手の一台のみであるが同クラスエントリー総台数 9台であることからも解かるように当初より不人気なカテゴリーであるがゆえのレーサーマシンに関する処置であったことが伺える。また 本大会の開催推進に主導的な役割を担っていたメグロが不人気クラスに敢えて参加したとも取れるのである。 レースは上級のセニア級500ccと同時に行われたがエンジン性能に優れた第一回レースの覇者ホンダワークス勢に終始及ばず六位完走 と耐久性を示し面目だけは保った。 なお杉田清蔵 選手はメグロが完全優勝したセニア級500ccの覇者・杉田和臣選手の実兄である。 榎本功氏により奇跡的に発見されたメグロRZが一番近似ではあるが、当時のレーサーマシンの消息は分かっていない。 ・・・主要諸元・・・ ・全長:2260mm ・全幅:710mm ・全高:1110mm ・軸間距離:1415mm ・車輌重量:165kg ・機関型式:RY型:単気筒OHC4サイクル ・総排気量:343cc ・最大出力:不明 ・最高速度:不明 ・燃費:不明 ・変速機:前進4段 ・タイヤ:(前)2.75×19−4 /(後)3.25×19−4 ・始動方式:キック