〜メグロの小部屋〜:300cc・J3/J3Aジュニア メグロ300cc・J3ジュニアは、旧ジュニアシリーズの最終モデルとして、1952年6月より製造販売されている。好評であったJ2 ジュニアから発展改良されての登場であった。当初250ccのみであったが8月より出力性能向上を目的としてボアの変更(65×75→ 70×75)がなされたG3型・288cc単気筒OHV4サイクル機関に更新されている。しかしユーザー要望によりJ3ながら従来の250cc 仕様も併売することになり翌'53年4月までは250cc・300ccの両仕様がある。 同年、二輪車運転免許制度の改正により250cc未満までの二輪車が軽二輪車区分となり、従来の自動二輪車運転免許より取得容易となった ことから同4月、250ccクラスをテコ入れしてJ3をベースに改良設計された新ジュニアシリーズ・Sジュニアを開発登場させた。 そのため、J3は300ccクラスとして継続生産することになり、SジュニアのK型・248cc単気筒OHV4サイクル機関をボア変更(65→70) して288ccとしたエンジンに更新、J3Aとなった。 以後、性能が向上した250ccクラスのS3ジュニアと350ccクラスのY2レックスに集約される'56年まで販売が続けられている。 J3は800台、J3Aが2085台生産とされている。 J2ジュニアからの改良は、G3型・単気筒OHV4サイクル機関への更新により300ccクラス(288cc)は最高出力8馬力まで向上している 他には、フロントフォークが新設計されている以外に無いが、タンク部の意匠が改められて500cc・Z3などと似たグレードの高い感じに なった。 J3Aとなって、車体・装備はそのままにエンジンがSジュニア:K型系の288ccエンジンに更新されて在るのが特徴。そのため観掛けが Sジュニアと殆ど同じで、細部を観察しなければ区別が難しい程に似ている。排気は1ポート。 またS2ジュニア登場時期にメグロの新開発特許機構として登場したエンドレス式変速機(ロータリーミッション)も採用されて利便性が 向上している。 最末期にはS2ジュニアと似た意匠仕様にされた為、タンク部の意匠が同様になりメグロウィングのマークもそれまでの多色印刷シートから の転写(トランスファー式)から、高級感のある七宝焼きのバッヂに替えられている。なお300ccクラスも「ジュニア」の愛称で称されていた。 J型シリーズは350ccクラスのY2型・YA型へと引き継がれ一度は消えるが、メグロ末期に250ccクラスのS−8ジュニアを、J3の時 と同様にボアを変更して288ccとしたメグロ300cc・J−8アーガスで再度の登場をしている。 ・・・主要諸元・・・(250ccクラス)・((J3A)) ・全長:2140mm ((2150mm)) ・全幅:750mm ((790mm)) ・全高:1040mm ・軸間距離:1370mm ((1400mm)) ・車輌重量:152kg ((157kg)) ・機関型式:G3型:単気筒OHV4サイクル ((G3-54-4001〜)) ・総排気量:288cc (248cc) ・最大出力:8.0HP/4000rpm (7.0HP/4500rpm) ((12.0HP/4000rpm)) ・最高速度:70km/h ((100km/h)) ・燃費:45km/リットル ・変速機:前進3段 ((前進4段ロータリー)) ・タイヤ:(前)3.00×19−4 /(後)3.25×19−4 ・始動方式:キック