〜メグロの小部屋〜:125cc・E2レジナ メグロ125cc・E2レジナは、E1レジナの後継車として1957年5月より生産開始、メグロ初のOHC4サイクル車・E3に切り替わる 1958年7月までに2192台が生産されている。 E1レジナとの相違は殆ど無いが、主な変更点は外装で、ヘッドライトケースの形状、オイルタンクとツールボックスの意匠変更など。また 上級車の250ccジュニアなどに合わせてドライブチェーンに密閉式チェーンケースを装備して、駆動部からの油飛散防止の処置がされて いる。この変更でE1レジナに比べればやや軽快な感じにはなるが、実態はE1より10kgも重くなってしまった。特にユーザーの要望を 取り入れて反映された密閉式チェーンケースの装備などは最も影響している。フレームもやや伸びて軸間距離は45mm程長くなっている。 このようにメグロのシリーズ各車に共通して云えるのは、最初のモデルが最も軽量であり、モデルを重ねるごとに重量が増してしまう傾向 にあることで、その要因の多くは、ユーザーの要望を取り入れて反映させる為に過剰な仕様や装備が追加されることによるのではないかと 思われる。また、悪路走行による衝撃破損が多かった当時に、その様な苦情がひとつでもあれば直ぐに補強改良がされて、メグロのバイクは 壊れないと評判になる理由にもつながったが、この重さが、やがてメグロの125ccクラス車不振の一因ともなる。 競争力のある小型二輪車が出来なかったことを、「目黒製作所」取締役であった鈴木武雄は、「ホンダとかヤマハは小型二輪車からのスタート だから小さいバイクは得意だった。メグロのように大きいバイクからスタートしたところは小さくしてもコストを下げるのが難しかった。 アメリカの自動車が日本車に市場を奪われるのと同じです。」と、後年に回想して述べている。 E2レジナも現存する車は少なく、大多数がスクラップになってしまったようである。やはり農家などで使われてそのままになっている 可能性も高いバイクなので、今後の発見が期待される。 ・・・主要諸元・・・ ・全長:2050mm ・全幅:690mm ・全高:950mm ・軸間距離:1335mm ・車輌重量:120kg ・機関型式:EH2型:単気筒OHV4サイクル ・総排気量:123cc ・最大出力:5.2HP/5000rpm ・最高速度:70km/h ・燃費:70km/リットル ・変速機:前進4段ロータリー ・タイヤ:(前)2.75×18−2 /(後)2.75×18−4 ・始動方式:キック