イベント参加風景 

(第四十四回) 「日本旧車会ミーティング2017年」より、 

ようこそ!「イベント参加風景」では、わたしがS−8で行ったり、
メグロ目的で見に行ったイベントを中心に撮影した写真を紹介します。
メグロ以外の珍しいバイクをどんどん公開しますので、ビンテージファンのみなさまお楽しみに!


◎ 今回は、2017年4月29日に行われた、
  「日本旧車会ミーティング2017年」より、参加風景を紹介します。

◎ 「昭和の日」恒例の日本旧車会ミーティング、
  初夏の晴天に恵まれて約200台が集まる盛況の中で行われました。

◎ それでは、その中からピックアップして紹介しましょう♪

 旧車ミーティング風景(38)
「日本旧車会ミーティング2017年」より、


  ヰセキ・タフ50K
  (1962年)

今回も珍しいバイクからご紹介♪
戦後のバイクブームで爆発的に興ったメーカーも殆ど淘汰されてほぼ落ち着いた'60年代初期に、
バイク業界と異なる業界市場から登場したのがコチラ!
当時既にその筋ではトップクラスの業績を持って居たメーカーの名は"ヰセキ"
農機具メーカーが世に出したモペットバイクです〜〜〜

視るからに当時のベストバイで在ったホンダ・スーパーカブを意識した意匠。
其れはヰセキに限らず、多くのバイクメーカーが流行に乗るような感覚で"的な"モデルを用意して、
スーパーカブの人気に恩恵を授かろうとしたに過ぎないのですが。
しか〜し、ヰセキは他メーカーとはちと異なる企てでの新規参入で在ったことで特筆されます。


そもそも農家やその組合組織で在る農業協同組合(農協)が得意先で在った農機具業界。
戦後の農地改革で多くの小作人が自作農事業者と成り、 その殆どが加入組合員と為った農協は、或る意味で"おいしい市場"でも在った様子。
何しろ農協で推奨された商品は日本中の農家に販売促進が為される訳で〜笑
オートバイに関して視れば元々が高額商品で在り、買うことができた農家も限られるために農協の推奨には為り得なかったのが、 「もはや戦後ではない」がフレーズと為り得た此の頃から農機具に拠る機械化農業が推奨されて、 高額な農機具も農協が融資したことから一般的農家でも導入する世帯が増加。
その時流に乗って居た井関農機が"農協が融資するならオートバイも売れる筈!?"と目論んだかは否かとして(笑)、 まァ〜目の付け処がシャープだったのでしょう〜
巧く農協の推奨も得られた様子で、当時の販促用パンフレットからも読み取ることができます。
また実際、販売ルートは既存のオートバイ販売店ではなく自社営業所と全国の農協からのみと徹底してます!
ただ農家も「農協推奨だから買う!」・・・と云うことは当然ない訳で、
性能的には既存オートバイが優位で在ることにかわりなく、目論見通りには販売実績につながらなかった由。
1961年の販売開始から僅か2年程で事業撤退と為った様子〜〜〜


 PA−50型・単気筒50cc:空水冷2サイクルエンジン

エンジンは単気筒の2スト。
但し並みの仕様では有馬温泉〜
特筆は空水冷式と云う聞き慣れない名称。
当時のパンフレットに其の詳細が記されて在ります。
簡潔に並べてみますと〜
 ・並みの空冷式では放熱効率が悪い(低速では焼け付く)
 ・水冷エンジンは熱耐久が在り焼き付き難い
 ・コストの問題(安:空冷式<高:水冷式)
そこで考えたのが、エンジンヘッドにだけウォータージャケット式にして水タンクとホースで循環接続にして、
単純に水を通して頭だけ冷やせば良かろうと云う仕掛け♪

つまりベースは従来品で造ってヘッドのみを特製品で用意することで折衷すれば、
水冷エンジン程は掛からずに焼き付き難い2ストエンジンの出来上がりとの由。
水冷エンジンのようなウォーターポンプも要らず、
メインフレームに仕込んだタンクとエンジンヘッドを2本のホースでつなぎ、
中の水が自然循環(タンクの水はヘッドで熱せられて温水に為り再びタンクに戻る)する。


写真の如くエンジンヘッドにはウォータージャケットへの導水口が二か所用意されて、
ホースでフレームに在る水タンクと接続。
ただポンプを用いた強制循環ではないので、本当に自然循環が成立して在るのかは???(笑)

エンジン本体には特に記する所見はなく汎用のモノ。
但し自社製造ではなく、農機用機関製造で提携の在った川崎航空機製造に拠るOEM生産で在ったとの由。
意外な処でメグロつながりがございました〜笑

ボアxストローク:41x37.8mm の49.9cc
最高出力:4.2ps / 8000rpm
最大トルク:0.37kgm / 6000rpm
最高速度:75km/h

変速は3段手動クラッチ、始動はキック。
セル付きはプラス6000円で用意、由


 ハンドル廻り

プレス成型を多用したハンドル。
恐らく基に倣ったのは偶々並ぶ奥側のスーパーカブで在ろうとは思いますが、
構成構造は明らかに違いますね〜
スーパーカブが上から被せるように意匠したパーツで構成されて在るのに対し、
"タフ"はパーツを上下から合せて、意匠したライン状に接合してあります。
丁寧に造られてはありますが部品としては多くなり意匠も工夫が要ります。
カブが徹底して軽量化かつ簡素化して在るのとは対照的ですね〜
どうしても凝った意匠は旧時代的で旧い印象に為り易いです。
その様に視ると、シンプルな意匠は60年を経てもなお先進的で在ったと今更ながらに感じます。
別の視点から思うに"タフ"の意匠には少なからず本業で在る農機具製品の意匠に共通するようにも!?
ライトレンズが角目なのもその影響でしょうか〜


ライトレンズ意匠に拠り角型のケース。
ケーストップの機器はポジションインジケーター二つと速度計のみ。
ハンドルスイッチはライトH/Lとウインカーの各切替、ホーンとセルのボタンを配置。
オートクラッチではないので、クラッチレバーとフロントブレーキレバーのセット。

フロントの緩衝はスーパーカブ同様にゴムダンパーに拠るリンク式。
因みにフェンダーはオーナー方曰く欠品個体との由で、代えてスーパーカブとのこと。
尚更"カブ"まんま〜笑


 リア廻り

独自の意匠を試みるも、やっぱりスーパーカブに似て視えてしまいます〜笑
プレス鋼板に拠る合せフレームとフェンダー。
腰掛シートにその下をフェルタンクとした構成はまんま"カブ"なので仕方ないかァ〜
そこを意匠でオリジナリティーに見せようとするのでしょうが、
反って野暮ったく為ってませんか!?


ドライブチェーンはフルカバーケースに。
形態はやっぱり独自意匠ですが・・・
緩衝はダンパーアブソーバーに拠るスイングアーム。
テールレンズも凝った造り。


 サイドカバー

ロゴの意匠が入ったカバー。
左サイドにメインキースイッチが付く。
何故かロゴが左右で異なります。
左サイドは、"ISEKI Taff" 右サイドには、"ISEKI Pet50" !?
実は"タフ50"で販売される半年前より、既に"ペット50"の名称で販売が始まって居たとの由。
先に記したようにエンジンは川崎航空機製造に拠るOEM生産。
当時カワサキは初の自社ブランドバイクとして同様のモペット・ペットM5を出して居り、
その威を借りて販促しようと、ヰセキがそのネーミングをチャッカリ拝借した、と云うことが真相の様子。
しか〜しそう目論見の通りに行く訳も無く、独自技術とした空水冷エンジンの特性を前面に押し出した宣伝に切り替えて、
ネーミングに如何にも踏ん張りが利く印象を与えるよう"タフ"としたのだとか。
まァ〜何れにせよ、勢い営業で人気商品に為り得るとの目論見で在った様子が伺えますが、
ブランド力に勝る有力オートバイメーカーの向こうを張って撃沈したと云う次第か!?
以後、本業で地道に活動した甲斐在って業界3位の有力メーカーとして盛業中〜



 ヤマハ125・YA−1
  (1957年)

続いては、数在る日本の名車オートバイに在って知られる一台。
ヤマハ発動機に拠る市販第一号と為ったYA−1です!

今更ながら解説も要しませんが、
仕様の原型はドイツの名門バイクメーカー:DKWのRT125。
既に完成された性能とスタイリングで知られた高性能モデルで製造は戦前の1939年から。
終戦後のオートバイブーム(何れの国でも庶民の足が渇望されたことに拠り)で ドイツ以外の各国で此れを雛形に倣ったモデルバイクが登場、由。
戦勝国賠償に利権を得た英国、米国、旧ソ連のほか、イタリア、ハンガリー、ポーランド等。
ま、此れほどに類似品が在れば容易に倣えたでしょうか!?

ヤマハのオートバイが他社と大きく異なるイメージが一環してスポーツユースで在ること。
ホンダもスズキも最初は実用を目的とした原付バイクから始めたのに対し、
後発で在ったヤマハが狙ったのがまさにレジャーとしてのオートバイ利用!
やや時期尚早のようにも思えますが、
実用車イメージが殆どないヤマハのバイクが数年後に登場させたYDS1に拠って
一気にモータースポーツ時代を開花させたと云っても良いでしょう〜


そもそも楽器メーカーで在った日本楽器製造(ヤマハ)がオートバイに手を出した切っ掛けは、
終戦で楽器のような趣向製品の需要は未だ見込めず、
また技術として木工製品(ピアノ筐体から転じて戦時中の航空機用木製プロペラを製造)が在り、
鋳造部品の木型作成や、金管楽器製造の圧延や管曲げ技術にも長けて在ったことから、
国内のバイクメーカー起業ブームに乗ったと云うことでしょう。

最初のモデルにDKWのRT125を選んだのは、やはり多くの派生モデルを輩出した実績からで在った様子。
そして実用ではなく当初からレジャー用途としてデザイン重視でも在ったのでしょうか。
とは云え、門外漢なバイク製造は端から難題続出で在ったようで全くのコピーとは為らなかった由。
一方では使い勝手さを盛り込み変速段数を多くしたり、
今でもヤマハのモデルではお馴染みなプライマリーキック方式を最初から開発搭載するなど、
意外にも独自性を持ったモデルです。

またフレームワークや外装意匠は倣いつつもカラーリングは独自性を出したもの。
東京芸術大学のデザイン集団「GK(Group of Koike)」に委嘱して採用された、
えび茶色とベージュのツートーンカラーはYA−1の軽快な乗り心地と相まって、
「赤とんぼ」の愛称を得たのはご存知のとおり!
なお東京芸大とヤマハの係わりと云えば、やはり楽器の縁なのでしょうかねェ〜笑


 A型・単気筒123cc:空冷2サイクルエンジン

記念すべきヤマハ発動機の第一号エンジン。
基本仕様とユニット構成はベースのRT125エンジンを踏襲、由。
2stエンジンとしてはほぼ完成形に在るので無駄が無く意匠も秀逸。
ただシリンダの放熱フィンが砂型鋳造で在った為に試作では容に為らず、 南部鉄器の鉄瓶の如くで在ったそう。
エキゾーストパイプは流石! 金管楽器の技が見栄えに生きます♪
フラマグカバーに"YAMAHA"ロゴと音叉マークが付く。


出力側はイタリアンエッグスタイルの丸みを基調にした意匠。
シフトとキック始動のペダルは同軸より出る。
パターンは原型の3速から使い勝手の良い4速に改良。
クラッチレバーを握ればどのシフトでも始動可能なプライマリーキック式は秀逸♪
キャブレターは当時の汎用品で在ったミクニアマルの別体フロートタイプM20。
エアクリーナーは簡便なメッシュカバーにチョーク作用のエアシャッター付き。

排気量は、ボアxストローク:52x58mm の123cc
最高出力は、5.5HP / 5,000rpm
最大トルクは、0.96kgm

 フロント廻り

細身の大径ホイールは19inの2.75
緩衝はコイルスプリングに拠るテレスコピック式。
制動もこのモデルサイズならではの小径片ハブにドラム式。
メグロ車でもそうですが、
当時の道路事情ではリアブレーキが主でフロントは補助程度のもの。


 フロントフェンダー

当時としては浅い目でスリムな仕様。
良く視るとフェンダーステーも意匠の入った凝った形態。
更に前端上面には、恐らくは音叉をイメージしたスピード感の在るマスコットシンボルが付く。


 ハンドル廻り

如何にもスポーツモデル的なハンドル廻り。
殆どフラットな幅の狭いバーハンドル。
軽快な印象で操作系もシンプル。


 ライトケース

これまたシンプルな砲弾型ケース。
上面に配置された計器も速度計とインジケータランプのみ。
メインキースイッチも突起を設けず、ケースに埋め込みフラットに!

本来ウインカーは無く、今様の社外品で在る様子。


 フェルタンク

ティアドロップな形態を持つフェルタンク。
後のXSやSRなどのシリーズにも共通するヤマハモデルを印象付けた意匠。
ベースカラーのえび茶色に対しタンク側面のベージュはナイスアクセント♪
エンブレムの音叉マークとニーパッドの組合せも今のモデルにも継承される。


上面には書類等を入れて置く小物ケースが付く。
給油口とキャップは比較的大きいもの。
タンク幅もスリムなのが良く判る。


 リア廻り

ベースモデルに倣いプランジャーサスペンションとしたのが惜しまれるリア廻り。
緩衝がスイングアームと為るのはもう暫く後に。
未だ当時の需要から荷台を装備しますが、これ見よがしに大きくは無く、 目立たぬように意匠処理が為されて在ります。


制動はフロントに同じく片ハブドラム式。
駆動系はオープンチェーンドライブ。
数年前に更新されて未だ初々しいメインシートはサドルと鞍型の中間サイズか?
片持ちアームで支えとしてクッションはコイルスプリングに拠るリンク式。
マフラーは同時期のメグロ車(Z7、S3辺り)同様の筒型。
他社同類モデルにはよりスポーティーなアップマフラーとした例も在った様子。
さてどちらが相応しい!?



さて、お目当てのメグロ車ですが〜
多数お越し頂いたのですが、みなさんお馴染み方々で既紹介に付き割愛申します〜
以下でご鑑賞下さいませ!

 S−8"ジュニア"
   掲載:わたしが観てきたメグロ・バックナンバー(59)



 S3"ジュニア"
   掲載:わたしが観てきたメグロ・バックナンバー(43)



 Y"レックス"
   掲載:わたしが観てきたメグロ


 カワサキ・エストレヤ(メグロ カスタム)
   掲載:わたしが観てきたメグロ・バックナンバー(48)



次回に乞う期待♪


それでは、次回をお楽しみに!



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