イベント参加風景 

(第四十三回) 「(第21回)古き二輪を愛でる會」より、 

ようこそ!「イベント参加風景」では、わたしがS−8で行ったり、
メグロ目的で見に行ったイベントを中心に撮影した写真を紹介します。
メグロ以外の珍しいバイクをどんどん公開しますので、ビンテージファンのみなさまお楽しみに!


◎ 今回は、2016年10月16日に行われた「(第21回)古き二輪を愛でる會」
  より紹介します。

◎ 毎年恒例の「京都・古き二輪を愛でる會」ですが、今回も会場はこちら、
   スチールの森 京都(府民の森ひよし)にて開催がされました。

◎ 絶好のロケーションに好天気にも恵まれ、名車・珍車が多数参加
  (600台以上!?〜主催発表)される中、盛況の内に行われました。

◎ それでは、その中からピックアップして紹介して参りましょう〜



 旧車ミーティング風景(37)
「(第21回)古き二輪を愛でる會」より、


  SUNBEAM・ 3 1/2 hp
  (1926年)

新旧取り混ぜ多くのオートバイが集う"愛でる會"ですが、
真骨頂はやはり、日頃目にすることの(恐らく一生の内に!?)無いで在ろう、
ミュージアムクラスの稀少バイクの参加でしょうか♪

此方も其の一台〜
英国の古参メーカー・SUNBEAM社のモデルから!
モデルネームは敢て無く"3_2/1"は馬力のクラス表示、由。
今様なら排気量でクラス分けが為されますが、
当時は馬力でのクラス分けが一般的で在った様子。
他に同じく英トライアンフにも"3_2/1"が存在する。



サンビームと云えば、
戦後に登場した独車スタイルのシャフトドライブモデル: S−7 が知られますが、
其れは英BSAグループに入ってからのこと。
基は1912年創業の老舗メーカーにして'25年以降はシングルOHV
ロングストロークのレーシングモデルを得意として、以前にも紹介の "MODEL 90"は、
市販レーサーの基礎となったバイク。
"3_2/1"はその旧き良き時代に普及モデルとして戦前期のロングセラーモデルと為った由。


 単気筒500cc:SV・4サイクルエンジン

如何にも古典的な容姿。
プッシュロッドがシリンダサイドに付くのでOHVに見えますが、
エンジンヘッドが異様な形態なので新鮮な印象。
インテーク側とエキゾースト側に分離した構成なのが見てとれます。

タイミングはマグダイナモに拠る構成。
SV機関もタイミング系はOHV機関と同じ仕様。
タイミングカバーはクランクとマグダイの間のみ。
クランク側の軸部にオイルポンプが付く当時の一般的仕様。
当時の欧州製バイクのみならず、範としたメグロ・ Z97も同様。

エンジン後方に変速機。
駆動軸が未だ入力と出力に分かれて在り、右サイド側にドライブラインが在るのも興味深い。
変速操作は当然ながらのハンドチェンジ式、始動キックペダルも此方に。

アダプタが異様に長いキャブレター。
熱の影響を避ける為なのか、はたまたマグダイナモを避ける為なのか!?
ガソリンパイプが時代を思わせる銅管ライン。
途中でコイル状に為ってあるのは、熱影響に拠る気化を避ける為か。


一方、プライマリサイドから視たエンジンも一興〜
放熱フィンも無いストレートなシリンダに、りんごを輪切りにしたかの様な燃焼室ブロック。
頂部に点火プラグが付くのみなので、2サイクル機関にも視える。
クランクケースには"SUNBEAM"の鋳込み文字。

ボアxストロークは、77x105.5mm の超〜ロング! 492cc
出力はクラス表示の通り、3 1/2 HP
最高速度、他スペックは不明。

プライマリケースは鋳物でしょうか!?
ビーチサンダルの如くステップも目を惹きます。
其の先に在るフットペダルは、恐らくリアブレーキペダルかも。
電装系はマグダイナモとバッテリー(黒の角箱)が装備。


 フロント廻り

古風ながら'20年代後半のモデルと在ってかなりオートバイらしい容姿に。
太い目大径のタイヤを装備し、堅牢そうな鉄板フェンダー。
緩衝装置はガーター式の松葉フォーク。
片ハブのドラムブレーキ仕様は当時としては最良の装備。
ドラムと対面に在るスプロケットは速度計のピックアップ。
大袈裟な機構ながら理に適った造り。

因みに、
エンジンで視えるエキゾーストパイプから先に在る筒が消音機(マフラー)です〜笑


 ハンドルトップ

至ってシンプルなハンドル廻り。
計器の類は速度計のみ!? ライトケースの後部がダイヤル式スイッチなのか???
取付のステーもハンドルに後付風な曲げ棒アーム〜笑
其の以前、カーバイト式灯具時代の取外し可能な仕様を継承か〜


ライトケースは砲弾型ながらレンズリムがかなり分厚く、お椀に被せたような形態。
レンズも焦点加工されたモノでなく、単にガラスカバーと云った体裁。
ハンドルにはチョークレバーなどが装備。
フロントブレーキ&クラッチのレバーは外肘の仕様で安全設計。


 リア廻り

先のとおり駆動系は右サイドの仕様。
ドライブチェーンのケーシングはフルカバー。
其処にリアブレーキアームが操作系から索道管ワイヤーでつながれて在る。

メインスタンドは完全に自転車の其れ。
緩衝装置も同様に無い、リジッド懸架。
ホイールはフロント同様に片ハブで大径タイヤを装備。
フェンダーも同じく、踏面に沿った単純円弧に鋼板プレスの造り。

終戦後の日本と同じくバイクが積貨運搬に重宝された時代に相応しい質実剛健そうな荷台。
其処に取って付けたかの如くライセンスベースとテールランプ!?
基からなのか後付なのかは???ですが〜笑

シートは自転車サドルを大きくしたような造り。
クッションはコイルバネを下から逆引きする様にリンクされて在る。

左サイドにはエンジン前方に在ったマフラーから排気管(笑)だけが伸びてくる。


 フェルタンク

此れぞ1920年代のスタイル♪
未だ工作機械が単純なモノ造りにしか用いられなかった時代。
今のような3Dにプレス加工もできず、単純な面板接合の多面体型で構成される。
ただ此の個体('26年)頃は徐々に工作技術も進展が在ったようで、
よく視れば上面と前方のフォーク逃げが単純曲面にプレス加工が為されて在ります。
此れが'30年代に掛かるとお馴染みなティアドロップ(水滴)型デザインの、
フェルタンクスタイルが一斉に流行と為りました〜


黒のエナメル塗りに金線の縁取り意匠に"THE SUNBEAM"のロゴ。
取り付けは上下をメインフレームで挟むように。
此れも一種の安全思想からの構造でしょうか!?


タンク上面は結構に賑やかな配置。
右サイドにハンドシフトのレバーとシフトパターンパネル。
右上面の前方にオイル給油口、後方にガソリン給油口。
中央フレームにはアンメーターがクランプされて付く。
左上面には手動のオイルポンプとオイルゲージ(?)でしょうか〜



 MOTOGUZZI・GT17 "Militare"
  (1932年)

此方も相当な年代モノ。
イタリアの名門オートバイメーカー、モト・グッツィの戦前型軍用モデル。
イタリア最古のメーカーとして知られ1921年の創業由。
素性がメグロと似て、軍部や警察との関わりが深い。

GT17のベースは'28年に開発されたGT"Norge"
アイローネ250でも用いられた特徴的なリアサスペンションシステムを最初に本格使用した、
ツアラー"Gran Turismo"モデルの先駆けと為ったモデル。
創業者のグッツィ兄弟によりノルウェー北極圏地帯までの走破実証を為し、
走行性能の優秀さと耐久性を実証したことに拠って軍用、警察への独占的な需要を得ることに。
モデルネームの"Norge"は此れに由来し、
最新のツアラーモデル「ノルジェ1200GT」にもこの車名は引継がれて居る由。


で、此のGT17
モデルネームの"ミリターレ"の示すとおり軍用バイク仕様。
'32年より生産が始まった由、当時のイタリアは云うまでも無くファシズム全盛の時代。
軍の威信を掛けて多量に生産が為された様子。
実戦用に配備されたモデルはご覧の緑色系の軍装色。
他にファシズム党に拠り組織された国家警察の交通部隊にも配備されて在った由。
'39年にかけて4810台が生産されたそう。
此の個体では車体色の他、レッグシールドの装備に当時の面影を残して在ります。


 単気筒500cc:4サイクルエンジン

創業者が空軍での整備兵経歴をもつだけに、航空機に範を採った先進かつ特異なエンジン。
4サイクル機関では在るが、インテークポートはサイドバルブ、エキゾーストポートはOHVと云う複合仕様。
更に水平シリンダ構造に拠って低重心化が図られて優れた操縦性能を得る。
この水平単気筒エンジンの仕様は信頼性を得て、戦後のモデル"ファルコーネ500"に引き継がれて、
実に'67年モデルにまで継続した由。
その安定した性能も、軍用や警察で重宝された要素。


水平配置なのでクランクから駆動系まで直線状に並ぶ。
タイミング系や潤滑系もメカニカルでマニア好きしそう〜
点火発電はクランクケース直上に配置されたマグダイナモで。
オイルポンプも質実重視、始動のキックペダルはギヤ剥き出し。

フレームのアンダークレードルに在るコイルスプリングも特異な構造。
リアサスペンションシステムとして内4層管状構造に置き換えることで、
より安定性を得ることができた由。


左サイドには"ベーコンスライサー"と称されて親しまれるアウターフライホイールが!
クランクケースを最小に抑えつつ慣性力を得る機能的構造。

フェルタンク下のダウンチューブ寄りに在るのがオイルタンクでしょうか。
水平シリンダに拠り空いたスペースを巧く活用して在ります。

キャブレターに付くエアフィルター(?)カバーがハート形!?
基からなのかは???ですが良いアクセントに為ってます♪

ボアxストローク、88x82mm の498.4cc
最大出力、13.2HP/4000rpm
最高速度、100km/h
変速は、3段ハンドチェンジ
キャブレターは、デロルトのMC26F


 フロント廻り

時代的には既にテレスコピック型フロントフォークの流行期ですが、
このモデルは未だ松葉型のガーターフォークで頑張ってます〜笑
そもそもが当時の軍用車両は、技術的に成熟した完成仕様で在ることが殆ど。
不具合や故障は戦地では命取りと為るため、極力不都合が起こり難いことが前提です。
テレスコピック型の場合、緩衝性能は優れますがダンパーオイルの漏れは致命的です。
なので、壊れても物理的に修繕可能な機構式構成で在るガーターフォークを採用なのでしょう。

ホイールは19x3in、片ハブのドラム式制動。
フェンダーはシンプルなプレス鋼板に拠る頑丈な仕様。
レッグシールドも鋼板製で悪路での進撃を想定か。
この個体では確認できませんが、レッグシールドに機銃ホルダーが装備される由。


 ライトケース廻り

ライトケースはシンプルなお椀型、レンズは単焦点。
レンズリムは鍔無しで丸みの在る形態。
取付が此れ以上は略せないほどにシンプルな鋼棒のステー。
上面にはアンメータ、後部にライト切替のダイヤル式スイッチが付く。
速度計はハンドルポストの直上に配置。

また本来の軍用装備として機関砲の架台を為すことができる由。


 リア廻り

特徴的なリア廻りの構成。
大儀で視ればスイングアームなのですが、
緩衝はフレームのアンダークレードルに在る、
先に紹介のコイルスプリングに拠る。
で、其れだけではダンピングの制御ができないので、
通常はショックアブソーバの在る、後部フレームと
後輪アクスルのスイングアームの間に、
鋼板とゴム板を挟みつないだ摩擦式のダンパーで
接続が為されて在る。

フレーム後端は単にリアフェンダーと荷台を支えるのみ。
其れだけで解釈すれば、
今時のモノリンクサスのリアフェンダーと同じと云う、
既に斬新な発想で在ったことが判る。


駆動系は右サイドにチェーンドライブ。
ホイールは19x3.5in、
フロント同様に片ハブのドラム式制動。
リアフェンダーもフロント同様のシンプルかつ
頑丈な鋼板製。
テールランプケースが古風な丸缶ですが、
原型なのかは???

荷台も実用的な鋼棒の構成ですが、
本来の軍用仕様ではタンデム仕様が在り、
リアシートが装備された由。










 フェルタンク

余り意匠性を感じない形態のフェルタンク。
角に丸みを持たせては在るが、上面や側面は平らな仕上げ。
余計な突起や幅を無くして、スリムで操者が動き易いよう考慮されて在る。
また上面がフレームに沿って、シートの在る方に低く傾斜して在る。
これは、タンデム仕様の際、操者のメインシートをフェルタンク側に寄せて、
リアシートのスペースを空ける考慮との由。


上面には書類ケースが用意され、給油口には捻じ込み式のキャップ。
内容量は11.5L、由。

両側面にはゴム製のニーパッド、右側面にハンドチェンジのレバーが付く。
プリンティングされた""MOTOGUZZI"のエンブレム。
創業者の経歴に因み、イタリア空軍の象徴である鷲の意匠を用いて居る。



 TRIUMPH・T15 "Terrier"
  (1952年)

此方も、戦後モデルながら観掛けることの少ないバイク。
トライアンフの小型クラスから150ccのT15"テリア"
このクラスでは200ccのT20"タイガーカブ"が広く知られるのですが、
元々はこのT15が基本形として登場との由。
T20はその排気量アップバージョンとして続き登場とのこと。
ただよく見られるような、単純にボアアップに拠る対処ではなく、
T20には専用設計エンジンが用意されて在った。


基、外見的にはT15と初期T20の違いは明確になく、
エンジン形態も見た目には排気量の違いを見分けるのが難しい。
フレーム及びフロントフォークは共通、ホイールは19x3.00in
ただT15は終戦直後の日本と同じく資材不足から簡素かつ実用重視の設計。
シートもシングルサドルの仕様。
一方のT20ではスポーツモデルの要素が加えられてタンデムデュアルシート仕様。
その後はT20系として人気を博して数多くのバリエーションモデルが登場。
'70年に至るまで続く200ccシリーズに発展、由。





 単気筒150cc:OHV・4サイクルエンジン

当時の欧州メーカー製小型バイクによく見られる、
モノブロック構成に拠る前傾シリンダスタイルの
エンジン。
特筆すべきは、
トライアンフ初の単体型エンジンで在った由。

ボアxストローク、57x58.5mm の149cc
最大出力、8HP

右サイドはプッシュロッドケースがヘッドに伸びる。
ヘッドブロックはロッカーアームの形にケース状を
為す面白い構造。
タイミングカバーからはチェンジペダルと
始動キックペダルが突き出るように付く。
変速は4段。
オイルタンクの容量は2.5 pints (約1.5L)
キャブレターはAMALのType 332
車体中央付近のエアフィルターとはゴムパイプで
つながる。
左サイドのカバーには花柄がカスタムアレンジ。













 フェルタンク

小型で在ってもスタンダードクラスに劣らぬ仕様。
サイドのエンブレムも一目でトライアンフを主張する共通意匠。
容量は3 Imperial gallons (約13.6L)由。



 陸王・RQ
  (1955年)

続いては国産ヴィンテージバイクから♪
メグロに並び馴染み深い陸王から750cc・RQです!
拙コーナーでは今年の 日本旧車会ミーティング に続いてのご紹介〜
RQは創業期以来の750ccクラス:R型を起源に、RO型を挟み更に改良がされての登場。
陸王の代表的なモデルとされ、現存数も比較的に多い由。
ですが、1200ccクラスのVF型に目が惹かれるのか詳細紹介は二回目。



先に紹介の個体は残念ながらキャブレター不調為に不動でしたが、
此方はピッカピカの完調自走で♪
早速に会場内をデモ走行してのお披露目もされてハンドチェンジの操作も拝見〜


 R型・746cc 空冷V型二気筒SV4サイクルエンジン

戦前の創業期モデル:750cc・R型から引き継がれたエンジン。
遡れば本家H.D.社のモデルRに端を発する。
戦後期に発した二輪車メーカーが挙って舶来メーカーバイクの模倣に頼ったのに対し、
陸王号は何と云っても本家の生産ラインをまんま移設して生産された本物!
ゆえに戦前〜戦中は軍部、戦後は警察や官公庁、公的機関の足として重宝されるも、
この当時に在っても戦前仕様のまんまエンジンでは当然ながらの時代遅れに〜
1960年の倒産時までサイドバルブ仕様を通した。


本家の生産工程で造られて在るならば性能も品質も同じと思うのが当然ながら・・・
実際は工程上のノウハウや使用される鋼材の加工処理法などが未熟で在った為、
本家の同エンジンには到底及ばなかったとか。

ボアxストローク:69.8x96.8mm
最高出力:22HP/4250rpm
最大トルク:4.0kgm/3000rpm
最高速度:110km/h
変速機:乾式クラッチ常時噛合手動3段

この個体の時代には元の陸王内燃機は倒産して、
後継した昭和飛行機工業に拠って興された陸王モーターサイクルがメーカー。
フットステップやエアクリーナーカバーにトレードマークの刻印が観られる。


 フロント廻り

戦前期から殆ど変化が無い車体仕様。
違いと云えば、フロントフォークが国産初の油圧緩衝に為り、
前モデルのRO型からハンドル廻りを主に改良が為された由。


 リア廻り

懸架方式は緩衝装置のないリジッド。
代わり鞍型のメインシートに緩衝機構が付く。
更にシート後部にはスタンド式の補助サスペンションがオプション装備。

深くホイールを覆う中折れ式フェンダー。
パンク修理際にリアホイールが外し易くするよう、当時の多くが採用した仕様。
メインスタンドは自転車と同様なアクスルシャフトでホールド。


 鞍型シート

背受けの付いた豪華なシングルサドル。
先のとおり、スタンド式の補助サスペンションは、
必要に応じてシート下方に引き起こし刺し掛けて使用、由。


 フェルタンク

ハーレーのアイデンティティーを主張する意匠。
右側にガソリン給油口、左側にエンジンオイルの給油口を配置。
其の手前に在る摘みは、手動に拠るオイルポンプの送油ピストン。
センター上面にはメーターベースパネル。
速度計は130km/h 迄の刻み、陸王のトレードマーク付き。
縦に並びにアンメーターとメインキーSWをパネル上に配して在る。
タンクサイドに"Rikuo"のロゴエンブレムが付く。

左側面にハンドチェンジレバー。
時流に倣ってフットシフトに替わるのは次モデルRT型から。



 トーハツ・TFL
  (1951年)

お次は"愛でる會"のMさんが持ち込まれた此方〜
終戦後の新興バイクメーカーをリードした、東京発動機の自転車バイク。

トーハツの名称で知られた小型バイクメーカーですが、
その市販第1号モデルとされるのがTFL、由。
良く知られるスポーツモデル"ランペット"のご先祖にあたるか〜
現在でも盛業中の現トーハツですが、バイクメーカーとしての活動は1950年から'64年頃までと、
メグロとほぼ同時代を歩んだ同業仲間。
オートレースでも活躍する等でライバルでも在ったが、
ホンダやヤマハのように規模の拡大で叶わず倒産・・・
現在は本業の小型船舶用船外機や産業用ポンプ等機器で知られる存在に。


さて、先のとおりTFLですが、
基は戦時中に軍用として生産された無線電源用発電機・TFG−50型で在った由。
同業の本田技術研究所が、同じく軍用発電機からヒントを得て自転車用補助機関から興したことに倣ったかたち。
実態はこのエンジンを流用したアセンブリ専業のバイクメーカー向けにアレンジしたことがきっかけと為った様子。
TFI型やTKL型として外販された後に、満を持して自社ブランドの自転車バイク搭載用エンジンとして誕生、由。

但し当初は汎用で在ったことから、市販自転車への搭載用で在ったが車体剛性との関係で不都合で在ったことから、
'50年頃より搭載専用車体を自転車メーカーに発注して、自社出張所や特約店でアセンブリ販売されることに。
此れがTFM型として、後に一世を風靡する「トーハツ号」の原点に為った由。


 TFL型:80cc 空冷単気筒2サイクルエンジン

先のとおりベースは発電機用エンジン。
そこから冷却ファンやファンケース、ガバナーなどを除き、クラッチ機構など装備して、
更にフェルタンク、エキゾーストマフラー、セッティングガゼット、外装を加えてユニットセットしたのがTFL型。

出力軸には元の冷却ファンに替えてアウターフライホイールとプライマリ駆動のプーリーが付く。
フロント側にマグネトー、リア側に変速クラッチユニットを配置。
プライマリには簡易カバーを装備。

ボアxストローク:45x50mm、79cc
他、スペックは不詳。
変速はプーリーに掛けた駆動ベルトの移動に拠る手動式。
始動はペダル自走からの逆駆動に拠る。


 リア廻り

駆動系は後輪スポークに固定したプーリーにベルト掛け。
制動は後輪のドラム式ブレーキのみ。
この個体では、フロント側に付けられたエンジンガードに付く足踏みペダルで操作。
エキゾースト系は本格的な仕様ながら原形かは不詳。
自転車フレームも専用に用意されたと思しき仕様な様子。
ヘッドライトにリアテールも本格仕様。
但し電装系が見当たらないので、発電の無い電池式か?
頑丈そうな荷台が当時の主たる用途を物語る。


 フェルタンク

此れも本格的な仕様。
但し此れも純正かどうか・・・
お馴染みロゴは手書きに拠る様子。


自転車フレームロゴは"Fuji"と在ります。
該当そうなメーカーとしては、現在でもロードレースバイクメーカーとして著名な「FUJI BIKES」 (旧、日米富士自転車)でしょうか?
搭載専用車体を自転車メーカーに発注したとされることから、そうなのかも〜



 ヒラノポップ・マンリーCM
  (1956年)

続いても"愛でる會"のMさんが持ち込まれたスクーターバイク。
一見、"ラビット"や"シルバーピジョン"のバッタ臭い(笑)形態ですが〜
メーカーは愛知県に在った平野製作所。
ヒラノと云えば、以前此方で紹介の "バルモビル"で知られてますが、
基はスクーターバイクの、かなり有力なメーカーのひとつでは在った様子。
"ヒラノポップ"のブランドネームで販売されたモデルのひとつで、型式はCM125、由。


形態的には当時の二大メーカー製スクーターに似せた(笑)意匠では在るのですが、
ホイール廻りやエキゾースト系の外観処理が如何にも旧臭い自転車バイクレベルなので、
全体として観るとアンバランスなこと、此の上無し〜
特に細身で大径のホイールを用いて在ることがイマイチ垢抜けない要因でしょうか!?


 CMA型:125cc 強制空冷単気筒2サイクルエンジン

スクーター用エンジンとしては一般的な仕様でしょうか。
直立単気筒にクランク軸にはフライホイールと強制空冷ファン、そしてダクトカバー。
単体で視ると産業用の発動機と然程変わらないでしょう。
なので初期スクーターブーム後に撤退した二大メーカーが、
"メイキ"や"ロビン"として汎用エンジンに残したのでしょうか。

ボアxストローク:55x51mm、121cc
最高出力:22HP/4250rpm
最大トルク:5.8kgm/5500rpm
最高速度:55km/h
変速機:遠心可変プーリーに拠る自動無段変速

フェルタンクは当時のスクーターならではの角タンクがシート下に帯金バンド留め。
キャブレターはミクニアマルのM18F、由。


 フロント廻り

先のとおり、時流のスタイルにまとめた意匠に対し、
アンバランスな大径ホイール。
大概10inサイズのところに、2.75-18inタイヤを装備。
スポークハブにブレーキは無し、
視えるワイヤーは速度計のピックアップ。
緩衝は簡易テレスコピックに拠る。

フロントカバーにメッキカバー付きの警音器。
ライトケースのカバーリングがびみょ〜な形態!?
レンズがカバー径より小径なので、
レンズリムで絞って在ります〜笑
ステアリングトップカバー前面には、
"HIRANO POP"のロゴエンブレム。






 ハンドル廻り

スクーターにしては操作系の多いハンドル廻り。
左側にライト&ホーンSW、デコンプ、チョークレバー・・・
右側に進角、アクセルスロット!?
ステアリングトップカバーに速度計、手前にメインキースイッチ。


 リア廻り

エンジンからホイールまでフェアリングでカバーされたリア。
意匠だけは二大メーカーに劣らぬスタイル〜
エンジン付近の楕円孔は放熱為でしょうか。
その下方に意匠されたメッシュは吸気孔か!?
飾り帯と"Pop"のロゴがセンス良く並びます。
が、左右に張り出た砲弾型カバーは何でしょう!?
ウインカーの様ですがレンズは無し。
内部に嵌るパーツも無い様子ですが、代わり孔が開いて在るので、
やはり放熱孔なのでしょうか〜
テールランプレンズはフェアリングに直付け。

上面には座布団シートとリアシートを兼ねる書類ケース。
掴みに装備したポリタンクは試走用フェルタンクですか?


フェアリングを跳ね上げるとご覧とおり。
パイプ組のフレーム、リア緩衝はコイルばねに拠るスイングアーム式。
ホイールはフロントに同じく2.75-18in、駆動系はチェーンドライブ。
片ハブドラム式ブレーキはレッグカバー下のフロアステップに在るペダルで操作。
フェアリングとは別にフェンダーまで装備されて在り、撥ね石対策は万全か〜
マフラーはオートバイ用の筒型タイプがまんま装備。



 ダイハツ・ソレックス SX1
  (1974年)

此方にも珍しいモペッドバイクを発見♪
ダイハツがこんなの出してました〜

ダイハツ・ソレックス と云います。
基はフランスの部品メーカー:SOLEX社の造って居た"ヴェロソレックス"と云うモペッドバイク。
その部品をライセンス購入して、国内でノックダウン生産したのだそう。
ソレックスと云えばキャブレターでつとに知られますが、こんなの造ってたんですね〜

ダイハツのバイクと云うと、
戦後直ぐに興ったオートバイブームに乗って起業した関連会社のツバサ工業が在りますが、
此れは純粋にダイハツブランドとしてダイハツのディーラーから販売された唯一モデル。
確かに時代的にはミニバイクブームの走り頃ですが、何か思惑でも在ったのでしょうか!?

で、観てのとおり前輪に直接エンジンを装着して廻す前輪駆動ですが、
駆動方式は駆動ローラーをタイヤに圧接して廻すアイドラー式に為ってます。
エンジン自体はSOLEX5000と云う型式で、本来はレジャー用途の半分おもちゃのような扱いだった様子。
なので、本国では無免許で乗れる日常の足程度の性能由。
仕様は、49cc・単気筒2サイクルエンジン。
最大出力は、僅かに0.4ps
最高速度は、18km/h 由。
車体に比べても非力な上に、前輪荷重が掛かる為に操縦バランスも悪く、
如何にも乗り辛そう〜
今時のパワーアシスト自転車の方が、余程実用性に長けて居るのが判ります!
メーカーでは2万5千台分の部品を輸入したとの由、結果殆ど販売実績が無かったと思われます。

なお、自転車並みの走行性能と云うことで、
速度計やウインカー、ブレーキテールランプなど保安装備は不問の特例が為されて在るとの由。






 ヤマハ・TD2
  (1970年)

毎回レーサーマシーンを持ち込まれてられる御仁。
今年はヤマハの市販レーサーからTD2でしょうか〜

'60年代の250ccヤマハワークスレーサーRD56〜RD05に対し、
市販モデルのYDS系から派生した市販レーサーTD1系。
その更新タイプとして市販モデルDS系をベースに、
ワークスレーサーのフェザーベッドタイプフレームとしたのがこのTD2。
なので、フルカウリングを纏った容姿は'60年代全盛期のヤマハワークスモデルそのもの!

ヤマハの国際ロードレースでのワークス活動は'69年のレギュレーション改定に伴い停止。
その翌年に販売された市販レーサーTD2は改定基準に適合することから、
プライベートレーサーの注目と為ってヤマハワークスモデルの後継と為り得た由。
数年後に水冷2サイクルのワークスモデルYZ系で再び国際ロードレースに参戦するまでの間を担い活躍。

エンジンは市販車DS6譲りの空冷2サイクル直列2気筒。
ボアxストローク:56x50mm、247cc
最高出力:44ps/10500rpm
最大トルク:3.2kgm/10000rpm
最高速度:215km/h
変速機:5段変速
始動方式:押し掛け
点火方式:フライホイールマグネトー

緩衝および制動はフレーム同様にワークスモデルRD系を継承。
フロント:テレスコピック、リア:スイングアーム
フロントブレーキ:260mm径、リアブレーキ:220mm径のドラム。

タイヤサイズ:前輪 2.75-18、後輪 3.00-18






 MV AGUSTA・175CS
 MOTO MORINI・175GT

此方にも魅力的なバイク発見〜♪
イタリアを代表するブランドバイク、アグスタとモリーニの並びで!
何れも以前に複数紹介済みなので、過去ログ参照で宜しく〜

 ・MV AGUSTA・175CS
 ・MOTO MORINI・175GT

他にもモナークなんか稀少モデルも来場されてられたそうなのですが、
如何せん600台余り中から見つけることが為らず〜残念!
何れ機会に宜しく♪


それでは、次回をお楽しみに!



◎「わたしが観てきたメグロ・(第六十一回)「(第21回)古き二輪を愛でる會」
  ・参加メグロ車より、」は こちらからお楽しみ下さい!

◎「イベント参加風景」のバックナンバーは、こちらからお楽しみ下さい!